2008年5月27日火曜日

心を開く「ね」という魔法の言葉

 あなた、もしくはあなたの周り(職場の同僚や友人、家族など)に、本当は 心をわかってほしいのに、なかなか気持ちが通じない人、何か言いかけて、心を閉ざしてしまう人… が、いませんか? 
そんな相手の気持ちを、少しずつ開いてもらう、そのきっかけになるだろう方法が“ね”の魔法なのです。 相手の心を開くには、まずこちらの話しを伝える、わかってもらうことからはじまります。何か相手が心を開いて共感してほしい時は、本題に入る前に、相手の言葉を話せるような雰囲気を作ってみましょう。たとえば、その日のお天気やニュースなど、どんなことでもいいので「そうですね」と同意できる話をいくつか話題にします。 すると相手は、「そうですね」と連呼することになるでしょう。しかし、強引に共感を得てもらう様なことをしてはいけませんね無理に共感を得ようとすると、雰囲気が相手に伝わってしまいます。そこで、文末に“ね”をつけてみるのです。 「ミスをしてしまったのは仕方がないけれど、すぐに連絡をしてもらえるとよかったよね」 など。相手の気持ちは「あーそうか。」という気持ちになるようですだから、“~ね”と、やさしい口調で問いかけられると、肯定的な雰囲気のまま、何となく同意の言葉を発してしまうことでしょう。 なかなか心を開いてくれない相手には、この“ね”の魔法を、日ごろの会話の随所に挟みこんでみてはいかがですか。すべての“ね”の魔法がうまく行くとは限りませんが、次第に相手の心はオープンハートになり、意思の疎通がはかりやすくなると思いますよ。

2008年5月24日土曜日

5月25日小児がん国際シンポジウムに参加してきました。



幕張メッセで「小児がんのケアとキュア」が開催されました。先進国と発展途上国の治療現状と小児がん経験者の声を聞きました。

小児がんは治るといわれているそうですが、発展途上国では、3時間に1人の子供ががんでなくなっています。医療施設が悪いわけでもなく、医療技術がわういわけでもなく、貧困から医療費を払うことができなくて、亡くなっていくと聞いたとき、胸が痛くなりました。

最後に、元患者さん(子どもたち)が「YOU RAISE ME UP」(あなたがいるから)という歌を聞かせてくれました。涙があふれてきました。

2008年5月22日木曜日

人生で必要な出来事

皆さん、「引き寄せの法則」ってご存知ですか?この引きき寄せの法則によると、自分におこる出来事は自分の感情や思考によって引き寄せたものと言われています。私は、自分の身に起きることや、出会う人というのは、自分が引き寄せたことの他にもう一つあるのかもしれないと思っています。それは、自分に必要なもの、必要な人だと思うことがあります。ここでいう「必要」というのは、自分の意図した物や人というよりは、あなたの成長に最もぴったりな物や人ということです。
自分のことで考えると、どんなにプラスに解釈しようとしてもできない事とか、どうしてもあわないなぁと思う人こそ、私の成長に大いにしてくれたような気がします。
そうした人や出来事は、あなたに自分自身について振り返る機会を与えてくれたり、自分以外の価値観を知るきっかけを与えてくれたり、自分の短所や改善点に気づかせてくれます。また、その出来事が、これから自分がやろうとしてることや、将来やりたいことにプラスの教訓や経験として働いてくれることもあります。でも、その時の当事者は、なかなかそのメッセージに気づけないことが多いですよね。でも、将来役に立つ出来事は、何年かたって、やっと、そのつながりが見えたリします。そして、この成長を与えてくれる経験や出会いは、自分の成長欠かせないことだったりします。しかも、メッセージに気づかないと、そこを乗り越えるために、何度も何度も似たような体験をすることになるようです。
特に、あなたが成功や成長を意識し、目指し、活動しだすと、そうした経験がたくさん起こるようになるかもしれません。
あなたが背負っている使命が大きければ大きいほど、起こる可能性は高いかもしれませんね。一見、人生は悪くなったように感じるかもしれません。でも、それは、あなたを成長させてくれるチャンスでもあるのです。困難に出合った時には、ぜひ、今の自分だけを見ずに、将来の自分を見、そこから何を学べるかを意識して前に進んでください。
今は、意味はわからないかもしれない。でも、きっと自分の成長や未来に繋がっていると信じて壁を乗り越えられると良いですね。

2008年5月18日日曜日

内閣府の「自殺対策に関する意識調査」について。

成人男女の19.1%が「本気で自殺を考えた経験がある」ことが、内閣府が16日に発表した「自殺対策に関する意識調査」で明らかになりました。そのうち20.8%は「最近1年以内に自殺したいと思った」と回答。一方、自殺を考えた時に「相談したことはない」人は60.4%に上り、一人で悩むケースが多い実態も明らかになりました。
調査は今年2~3月、全国20歳以上の男女3000人を対象に実施し、1808人から回答を得たそうです。自殺に関する政府の全国一斉調査は初めてだそうで、それほど深刻な問題であるとやっと国が考えてくれたのかと思いました。 厚生労働省が2006年にまとめた別の報告書では、自殺を考えたことがある人は1割弱でした。
今回の調査結果はこれを上回り、20代(24.6%)と30代(27.8%)で比率が高いことも分かりました。他の年代(中高年の方)は、さらに多いと思うのですが。職業別では「パート・アルバイト」が25.8%で最多で、「自殺したいと思ったことがない」は70.6%、これを多いと思うのか少ないと思うのか、どう感じますか? 自殺を考えたことがある人の11%は「悩みやつらい気持ちを受け止めてくれる人がいない」と答えたそうです。自殺を考えたことがない人の場合は4.4%にとどまっており、周囲の支えの有無も「自殺願望」に影響しているとみられます。
インターネット上の自殺サイトについて「規制すべきだ」との回答は76.1%に達したが、同サイトを「見たことがある」人はわずか1.9%という回答だったらしいのですが、もっと多い気もします。
さらに、仕事を持っている人を対象に、うつ病になった場合に休職することへの考えを複数回答で聞いたところ、「上司や同僚に迷惑をかける」が51.7%で最も多く、「職場復帰ができなくなる」26.6%、「昇進や昇給に影響する」18.3%などがありました。休職に「特に支障はない」との答えは1割未満だったそうです。
ストレスのかかるこの社会で、話せる人、理解してくれる環境がないと、この数字はのびていくようで、心が痛いです。

2008年5月11日日曜日

5月10日「医療における意思決定支援」の研修会に参加しました。

5月10日、医療コーディネーターの岩本ゆりさんが行っておられる定例会(場所:東京大学)に参加させていただきました。今回のテーマは「医療における意思決定支援」です。参加者は、看護師、薬剤師、患者さん、大学院生など。「意思決定とはなにか」を考えさせられました。
治療における意思決定。それは、患者さんには、人生の岐路にあたるかもしれません。治療の枠組みだけでなく、人生もふくめて考えるということ、それをできる医療の限界・・・・。支援することの重要さ。さまざま再度考えさせられました。
参加された方は、とても熱心で、それぞれの立場から、患者さんのためにどのようにすれば良い医療を提供できるのかと考えていました。「病をみて人をみず」ではなく、その人それぞれの人生の物語を考えながら、一人一人にあったアドバイスやサポートをしたい。そう考えている人たちも、たくさん、たくさんいて、私も気持揺るがず引き締めて実行し続けたいと思いました。

2008年5月8日木曜日

明日が来るのが奇跡。余命1カ月の花嫁より。

「余命1ヶ月の花嫁」という番組が放映されました。

彼女が伝えたかったメッセージを、生きている私が伝えられればと思い掲載させていただきました。

千恵さん(24歳)はある日、胸に異変を感じました。しこりがありどんどん大きくなったため病院へ行きました。CT画像で左胸に影、「乳がん」が見つかったのです。すぐに抗がん剤の投与が始まりました。当時イベントコンパニオンをしていた千恵さんは、副作用で毛が抜け落ちることに大きなショックを受けました。恋人の太郎さん(30歳)はIT関連企業に勤務していますが、年上の彼の前ではしっかり者の千恵さんが甘えん坊になってしまいます。彼は仕事を終えて毎日泊まり込みで看病してくれています。 太郎さんが千恵さんと出会ってデートに誘い「付き合おうよ」と誘った時、この誘いに千恵さんは「ちょっと待って」と答えました。なぜならその時千恵さんは,胸のしこりの検査結果を待っているところだったのです。「乳がんが見つかったの。あなたとは付き合えないよ」と目の前で泣く千恵さんを見て太郎さんは「一緒に頑張ろう」。「おっぱいのない彼女でいいの?なんで千恵を選ぶの?」。「胸がなくても、髪がなくても、千恵が千恵でいるならそれでいい」。 しかし若い千恵さんのがんはすさまじい勢いで進行しました。痛み止めが切れると、のたうち回り骨が折れそうな痛みで、どの体勢も辛いと千恵さんは苦しみます。骨と肺に転移し、骨の激しい痛みと呼吸困難の発作を起こすようになり、千恵さんは太郎さんへメールを送りました。「たろちゃん,ちえ生きたいよ…助けて!怖いよ」。千恵さんが、「治らないかもしれない」と思った瞬間でした。医師の「あと1ヶ月・・・もう少し早くなるかもしれません」という言葉に、父と太郎さんは「この一ヶ月で最高の思い出を作ってあげよう」と決心しました。 千恵さんの願いはウェディング・ドレスを着ること。これを友人にだけは打ち明けていました。友人は、ドレス姿の写真撮影だけでなく、結婚式も挙げてあげたいと思いました。友人は、千恵さんにウェディングドレスの写真を撮ろうね、と連れ出しましたが、千恵さは体調が悪く辛そうでした。でも写真を撮るだけだと思っていた千恵さんに二つのサプライズがあったのです。一つは友人が太郎さんとの結婚式を企画してくれたこと。もう一つは太郎さんが自分のお気に入りの結婚指輪を贈ってくれたことでした。以前ブライダル雑誌を見ていた千恵さんが「この指輪いいな」と呟くのを聞いていた太郎さんは、必死に探して前日手に入れたのでした。酸素吸入器を外して、とびっきりの笑顔の千恵さんは本当にきれいです。「このままがんが消えてなくなればいい」。その場にいた全員がそんな奇跡を祈らずにはいられないひとときでした。
残りわずかな命・・・。でも千恵さんはその時、幸せでした・・・。 千恵さんはこのようなコメントを残しています。「この式は私側の親族と一部の友人のみで正式なものではないけど、“感激”以上の言葉を知っている方いたら教えてください。私はありえない感動を味わいました。みなさんに明日が来ることは奇跡です。 それを知っているだけで、日常は幸せなことだらけで溢れてます。」 実は、お母さんも千恵さんが中学三年生の時、ガンで亡くなっているのです。お父さんは痛みに苦しむ妻の姿を見ていられず、医者から「モルヒネの点滴をすれば痛みはなくなるが、意識がもうろうとして会話が出来なくなる」と聞いていても、苦しませたくない思いでモルヒネの点滴を選びました。お母さんはやはり会話が出来なくなり、数日後に亡くなりました。このことが千恵さんに大きな影響を与え、モルヒネを点滴すれば激しい痛みから解放されるのは分かっていても、どんなに痛みが激しくても千恵さんは拒みました。実は、最近の医療では意識がなくならない薬があるのですが。 太郎さんへの思いは?と聞かれたとき、千恵さんは「日本語の中に言葉がないです。ただの愛でもなく、“かけがえのない人”でも軽すぎる。本当にぴったりの言葉が見つからないです」。お父さんや友だちには?と聞くと、「感謝、感謝。そんな言葉じゃ申し訳ないぐらい」。また千恵さんはこう語ります。「生きているのって奇跡だよね。いろんな人に支えられて生きているんだよね。私、これで元気になれたらすごい人間になれると思う」。 ついに、千恵さんは朝から意識がはっきりしません。ほとんど眠った状態でした。お母さんが亡くなってから、お母さん代わりに育ててくれた叔母さんは、「千恵のお母さんが生きていたらきっと千恵もわがままを言えた。もっと“辛いよ”と泣けたと思う。千恵はどんなに泣いても、“もう大丈夫。泣かない、頑張る”そればっかりだった」と話します。親族,友人が集まりベッドの千恵さんを見守りました。午後4時42分、長島千恵さん永眠。 闘いを終えた千恵さんの告別式。友だちがお別れに来ました。祭壇の真ん中、そこで千恵さんはウェディング・ドレスを着て微笑んでいます。一月前のあの晴れた日、チャペルで見せたあのとびっきりの笑顔でした。千恵さん、24年と6ヶ月の生涯でした。 千恵さんからのメッセージ「自分がなるまですごい他人事なんですよね、病気って。病気になってからじゃ遅いんだっていうのをわかってもらって、早いうちに防ぐっていうのがすごい大事だと思う」 「命が惜しくないと思っていたが、間違っていた」「今何となく生きている、という人にこの(千恵さんの)姿を見せたい」「何げない生活が本当に幸せなのだと気づいた」。このようなコメントが続々と放送したテレビ局に送られています。皆さんはどう感じられましたか?

2008年5月7日水曜日

今日は「エイズ孤児デー」です。

今日は世界エイズ孤児デーです。
私も協力していますが、皆さんもご関心があったらぜひご参加ください。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━   
   世界エイズ孤児デーキャンペーン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■■■エイズ孤児支援NGO・PLAS ■■■■       
【Pieces for Peace 2008】 ■■■     
- あなたにもできることが、ここにある。-
■■(期間:4月28日~5月31日) ■     
HP http://www.plas-aids.org/pfp08/index.html
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5月7日は世界エイズ孤児デーです。 現在世界には1500万人のエイズ孤児がいるといわれています。 エイズ孤児について知り、考え、行動してみませんか? *エイズ孤児とは、片親、または両親をエイズで亡くした18歳未満の子どもです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■今すぐネットで参加できる! ────────────────────────────────────
▽キャンペーン専用HPではエイズ孤児の現状を伝える映像やあなたにできる10のこと  を紹介しています。  http://www.plas-aids.org/pfp08/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■キャンペーンイベントに参加しよう! ──────────────────────────────────── ┌────────────◇特別企画◇─────────────┐        
 ドキュメンタリームービー&トークショー         『Moving Africa ~アフリカの真実~』  
[日時]:5月24日(土)21:30~22:45  [場所]:渋谷Q-AXシネマ  [定員]:170名  [ゲスト]:小林茂(監督)、城咲仁(タレント)        オスマンサンコン(タレント)、  
[映画について]:  アフリカはケニアのエイズ孤児・ストリートチルドレンのありのままの  姿を追いかけた5か月の記録。ただまっすぐに現実に向き合う、強くて  優しい視線の先にあるのは、子どもたちの力強く生きる姿。  これまでメディアで流されていたアフリカ像を塗り替える、誰も撮る  ことのできなかったアフリカの真実。公開準備中のドキュメンタリー  「チョコラ!」の特別編集版!  トークゲストにアフリカにゆかりのある城咲仁、オスマンサンコンを迎え、  監督と熱いアフリカトークを繰り広げます! └─────────────────────────────────┘
▽写真展『孤児たちの今』 期間:5月16日~5月25日 場所:表参道ヒルズ西館地下2階idea freams ギャラリー 他にもたくさんのイベントがあります 詳しくはこちら ⇒http://www.plas-aids.org/pfp08/about/index.html#p01 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■世界エイズ孤児デーキャンペーン「Pieces for Peace」って? ────────────────────────────────────
世界エイズ孤児デーに合わせて、世界各国でエイズ孤児の支援を求める活動が 展開されています。 日本ではエイズ孤児支援NGO・PLASが主導となって世界エイズ孤児デーキャンペーン 「Pieces for Peace2008 あなたにもできることが、ここにある」を展開しています。 エイズ孤児について知り、考え、行動してもらうためのキャンペーンです。 「自分には関係ない」と思われがちなエイズ孤児の問題。 多くの人が無関心なのは、「知らない」からなのです。 悲惨な状況を強調したり、危機感をあおったりすることが目的ではありません。 小難しい話でもありません。 わたしたちは、あなたに子どもたちの等身大の姿を届けたいと思っています。 知って、「あなたにできること」へ踏み出すかどうかは、あなた次第。 あなたにもできることが、ここにある。 ─[Pieces for Peace]─ 一人一人にできることは、「知ること、知らせること、そして行動すること。」 『ひとつだとただのPieceだけど、たくさん集まれば大きなPeaceに…。』 ────────────────────────────────────
このキャンペーンはエイズ孤児支援NGO・PLASが主催しています。 キャンペーンサイト http://www.plas-aids.org/pfp08/index.html
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[キャンペーンのご後援] 後援:国際協力機構(JICA)   (特活)国際協力NGOセンター 賛同:(特活)アフリカ日本協議会 協賛:株式会社イデアインターナショナル
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[主催] エイズ孤児支援NGO・PLAS [ホームページ] http://plas-aids.org/ [メール] info@plas-aids.org [所在地] 東京都品川区上大崎3-14-58クリエイト目黒2A [Tel/Fax] 050-3627-0271 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2008年5月6日火曜日

生きる意味がわからない・・・居場所のない若者の叫び

先日、私のところに「生きている意味がわからない。死にたいがどうしたらいいのか・・・」と突然相談がきました。将来がわからず、夢もなく、自分の居場所がないというのです。
私はゆっくりと話を聞きましたが、希薄な家族関係や対人関係が心を寂しくしているのでないかと思いました。
寂しさの中、何かに依存してしまう(たとえば買い物や、アルコール、メール、一時的な交友関係など)それでも満たされない温かさの不足。
以前、私はそんな知人の命を救うことができませんでした。今回の相談はそのときの無力さが甦りました。
自死(自殺)をする人は、過去に数回もの未遂をしています。そのシグナルを見逃さないように、それでいて自分で歩くことができるように、それぞれ状況を考えつつ支えています。
「意味がない」と言った時点で意味はなくなり、意味は自分で作るものだ、という場合もあります。
でも、それさえもわからなくなっている場合には、死にたいと思いながらも、その気持ちを私に伝えてくれたことを受け止めます。私のところにたどり着いて伝えてくれたことは「死にたくない」シグナルだと感じています。
生まれる意味も、生きる意味も、辛い時期の意味も人生には意味があると思うのです。居場所もあるはず。自分の経験からそう感じます。
もし、苦しいとき、辛いとき、人生をやめたいと思ってしまいそうなときは、立ち止まって私に連絡をください。(連絡先を記載していただければお返事をします)
みんな一人ではないのです。
どうか忘れないでください。

2008年5月5日月曜日

医者のモラル

今年の1月に母が肺がんの手術をしました。
昨年の12月に発見され、宣告されたときには、「がん」という言葉だけが頭に響き、その後の説明も聞けないくらいで、どのようにして帰宅したのかもわからないくらいでした。そのとき、医者が「あなたは医療者なのだから、わかりますよね。」と言った言葉を忘れません。切羽詰った状態だったので、ほかの病院の選択の余地がなく、そこにお願いするしかない状態でした。
そして手術の説明の日も、淡々と、私たちの顔も見ずに説明を続けました。質問すると、「医療者だから、わかるでしょう。」という態度と口調でした。
いよいよ手術の日、数時間の手術を待つ家族としては、とてもとても長く感じました。「そろそろ終わりますよ。長かったでしょう。」と看護師さんが声をかけてくださり、手術室の前へ。まだ眠ったままの母は病室に運ばれ、私は先生の説明を聞くために廊下で待っていました。すると、ビニールに、母の切除した「肺」を入れ、ブラブラぶら下げて医者が出てきました。「これが取った肺なんだけど、ここで説明していいよね?」というではありませんか。さすがにあきれた私は「先生、きちんとお部屋で説明してください。」と言いました。あわてた医者は、部屋で説明をしましたが、目を合わせることもなく、簡単に話し「もういいですか?」と聞くのです。「先生はいつもそのような説明の仕方をしているのですか?」
と思わず聞いてしましました。あまりにも「人」として、疑問があったからです。
私は「私は医療者ですが、今は家族としてきています。先生は医者である前に、人であってほしいです。あなたのご家族が病気になったときあなたのような医者に診てもらいたいと思うでしょうか?」と、それだけを伝えて部屋を後にしましたが、これが精一杯の言葉でした。
人なので、間違いや落ち度はあるかもしれません。
でも、人として、心のある、思いやりのある態度で命と向き合ってほしいと強く感じました。
「医者のモラル」ではなく「人としてのモラル」なんでしょうね。

2008年5月1日木曜日

新生児医療の現実・・・赤ちゃんの声なき声

救急医療や産科、小児科などの医療体制の崩壊で、新生児医療にも今、大きな問題が出ています。
新生児医療の現場で、今、未熟児にどのようにして授乳しているかご存知ですか?
赤ちゃんは抱っこしてミルクを飲ませる…そう思いますよね。でも現在の医療機関では、全国の過半数のNICUで、未熟児を抱っこして授乳させられないくらいの状態になっています。赤ちゃんはどうやってミルクを飲んでいるかというと、赤ちゃんの横に哺乳瓶をおいて「一人飲み」をしている状況だそうです。これは、医療の現場で、「1人の夜勤看護師が大勢の新生児を担当することを許す体制」が原因ではないかと考えています。
通常、病院には看護基準というものがあり、看護師一人に対して患者さんを何人まで受け持つというきまりがあります。
しかし、新生児を扱う病棟に看護師の配置基準がなく、狭義のNICUは3対1看護体制(看護師1人に新生児3人)であったとしても、回復期病棟は成人の配置基準と同じになっているのです。 「でも、回復期なんだから大丈夫なんじゃないの?」と思うかもしれませんが、そもそもNICUが慢性的にベッド不足のため、本当ならまだNICUで看なければならない人工呼吸器管理下の新生児も、どんどん回復期病棟に押し出されているのです。その結果、夜勤看護師1人が担当する新生児が1晩で9~10人も担当することになり、さらに病院によっては看護師1人が15人も受け持つような状況になっているようです。
 このような状態では、安全に看護できないので、現場では大問題になっているようです。
同じ乳児を預かる保育所と比較してみると、保育所では児童福祉法施設最低基準により保育士1人当たりの受け持ち乳児数は3人までとケアの質が保証されており、回復期病床とは極めて対照的です。 このような手薄な状況下では、NICUへの新規の入院を断らなければいけなくなっているばかりではなく、更に『一人飲み』をしなければならない状況でわかるように、入院中の赤ちゃんたちへのケアの低下、リスクの上昇として現れます。私は、様々な情報を集めていますが、正直なところ、NICUの現場がここまで切迫していたことを知りませんでした。このような医療崩壊を阻止するためには、現場からの情報発信が必要だと思います。それぞれの分野の医療関係者が、問題提起をしていくことが、医療崩壊を食い止めるためには大切なのではないかと思うのです。
生まれてくる赤ちゃんたちがこのような医療を受けることのないように、そして、病気になった方たちがきちんと医療を受けることのできるように、私なりに情報受信、発信していきたいと思います。