2008年6月3日火曜日

がん患者さんのご家族からのメール・・心の準備

先日、がんでご家族を亡くされた方からメールをいただきました。ご本人に承諾をいただきましたので原文のままご紹介します。

「がん患者の家族にとって、がんという病気でよかったのかもしれない・・・そう感じることがひとつあります。それは、こころの準備です。交通事故や脳梗塞などでは、大切な家族の「死」という現実に対して、こころの準備などをする猶予が与えられません。もちろん、徐々に弱っていく姿を見るのは辛いことではありましたが、反面、亡くなってしまった後のことをあれこれ、かなり具体的に準備したり、必要があれば調べたりもできるのは、がんという病気だからともいえます。私の父親の場合は、病気の進行があまりにも早かったために、本人の望むようなことはしてあげられませんでしたが、「残された時間をどう有意義に過ごすか」患者本人にとっても、また家族にとっても、考え実行することが可能な病気でもあると感じました。」
私の母も肺がんです。そういえば、最初は何をどうしたらよいのか悩みました。でも、徐々に向き合う時間があったようにも思います。
それとは逆に、兄は、24歳のときに、心停止をしました。突然のことで、大阪に行ったときは(当時は私は九州に住んでいました)人工呼吸器をつけて、意識もない状態。医者からは「回復は難しい。」といわれ、急なことで、兄が存在しなくなってしまうことが考えられず、受け入れることなどできませんでした。
幸いにも、奇跡的に回復し、今は後遺症もなく社会復帰していますが、兄のときと、母の場合と現実の受け入れが違ったような気がします。
どちらにしても、ご家族も「第2の患者」といわれるように、とてもお辛いことでしょう。
医療者として(人として)接するとき、いつもご本人とご家族や周りを含めて、サポートしたいと思っています。

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